するとゆっくりと近づいてきた晴臣の唇が、萌の頬を啄む。

「……いい?」

ここにきても萌の意思を確認してくれる晴臣の優しさに触れ、自然と笑みが零れた。

「はい」

萌が頷いたのが合図となり、そっと唇が重なる。

触れ合うだけのキスから徐々に深くなっていき、萌はただ翻弄され続けた。

一枚ずつ衣服が取り去られるたびに羞恥に顔を染め、自分でも触れたことのない場所に彼の舌が這わされた時には恥ずかしすぎて泣いてしまったけれど、それでもやめてほしいとは思わなかった。

「これで、君は俺のものだ」

ようやくひとつになった時、涙で滲む視界の向こうに見える晴臣はグッとなにかを堪えるような表情で言った。

萌の顔の横で両肘をつき、労るように抱いてくれる彼の頬にそっと指をすべらせる。身体を割かれるような痛みが過ぎると、ただ与えられる大きすぎる快感に喘ぐしかできない。

普段は優しく穏やかな晴臣が、余裕のない表情で萌を求めている。何度もキスを交わし、きつく抱きしめ合う。言葉ではとても伝えきれない想いを直接与え合っているような行為は、泣きたくなるほど幸せだった。