「せーのっ! パパー、ママー、おめでとうー!」
神父の結婚の成立を宣言する声にかぶさるように、幼い天使たちの声が響いた。
愛らしい祝福に、式場は参列者の笑い声と拍手に包まれる。
「光莉、陽太、おいで」
結婚証明書へサインを終えた萌が手招きすると、ふたりは花びらの入ったかごを持ってこちらに走ってくる。
退場は家族四人でしたいというのが、萌の挙式に対する唯一の要望だった。
打ち合わせの際、挙式が終わってふたりが振り返って退場する時には、未来に向かって歩いていくという意味があるのだと聞いた。
それならば、光莉と陽太も一緒がいいと考えたのだ。
「ママー」
「パパ、だっこ」
萌は光莉と手を繋ぎ、晴臣は陽太を抱っこする。