晴臣は事あるごとに甘い言葉をくれるし、独占欲を隠さずに伝えてくれる。

朝起きれば『今日も可愛い』と額にキスを贈られ、目が合えば『萌、好きだよ』と微笑まれる。ベッドの中では激情をあらわに萌を翻弄した。

誕生日以降、晴臣は幾度となく萌を抱いた。

『愛してる』
『俺だけのものだ』
『二度と離さない』

まるで離れていた年月の空白を埋めるように、言葉と身体を使って萌への想いを伝えてくれる。

愛されていると実感できるし、言葉にして気持ちを告げてくれるのはとても嬉しい。

けれど先ほどのように、まるで他の男性の目にも萌が魅力的に映っているかのように言われると、夫の贔屓目が強くて恥ずかしくなってしまう。

「晴臣さん……からかってますか?」
「まさか。本心だよ。本当なら、こんなに可愛い萌を誰の目にも晒したくない。それが無理なら、俺のものだと全員の前で宣言したい」
「そんなふうに思うの、晴臣さんだけですから」
「ほら。そういう無自覚な部分も心配なんだよ」