「ママ、来ないな。よし、みんなでママにぎゅーしようか」
「しゅる!」
「ひかりもー!」

両サイドから抱きついてきた双子と、さらにそれを包み込むように晴臣が大きく腕を広げて抱きしめてくれる。

萌と晴臣の間で、双子が「パパとママ、しゃんどいっち!」と楽しそうにキャッキャとはしゃぎ声を上げている。

「遠回りしたけど、ようやくたどり着けた。君たちを、必ず幸せにする」

同じだけ、晴臣や双子を幸せにしたい。そのためならどんな努力もしてみせる。

そう言いたいのに、声が喉に張り付いて言葉にならない。

萌は何度も頷きながら、自分だけの家族を思いっきり抱きしめた。