陽太は話の半分もわかっていないようだったが、それよりも晴臣に抱きつきたいらしく、光莉と反対側の腰にどんっと勢いよく突撃している。

「パパ」
「パパー」
「ふたりとも、ありがとう」

晴臣は泣き笑いのような表情でふたりを受け止めた。そして萌にも手を伸ばす。

「萌、おいで」

彼の声に振り返った双子が、「おいでー」とパパの真似をして小さな手を伸ばした。

よく似た面差しの三人が自分に向かって微笑みかけている目の前の現実が信じられなくて、徐々に呼吸が浅くなる。

幸せという言葉では言い尽くせないほどの感情で胸がいっぱいになり、指一本動かせない。

(これが、私の愛する家族……)

感極まった萌が固まっていると、晴臣が双子に告げた。