「……三年前からずっと、晴臣さんだけが好きです」

無意識に、勝手に口が動いた。どう言おうとか、ちゃんと伝えようとか、そう思う間もなく気持ちが溢れ出た。

「迷惑をかけるくらいなら自分から離れようって、ひとりで勝手に決めて……それなのに晴臣さんが別の女性と結婚しているかもって考えるだけで、苦しくて息ができなかった……。自分で決めたのに、どうしてもあなたを忘れられなかったんです」

一生、心に秘めておかなくてはならないはずだった。

しかし奇跡のような再会を果たし、彼もまた、まだ萌を想ってくれているのだと知った。

すべてを知った上で萌を求めてくれているのならば、晴臣を信じてついていきたい。

「私も、あなたと家族になりたい」

ようやく本音を打ち明けた萌を、晴臣がもう一度抱き寄せる。

「ありがとう。俺も、ずっと萌だけが好きだ。光莉と陽太にも、受け入れてもらえるように頑張るから」
「はい……」
「俺にあの日の約束を果たさせてほしい。毎年、一番近くで君の誕生日を祝いたい」

晴臣は萌の左手を取り、永遠を誓うように薬指に唇を寄せた。