普段はスプーンやフォークを使用して上手に食べられるように練習しているが、公園ではひとりでもパクパク食べられるように工夫している。

お手拭きでしっかりと手を拭くと、「いたらきましゅ」と早速嬉しそうに食べ始めた。

「ハンバーグ、おいちー!」
「美味しいね。落とさないように気をつけて食べてね」
「ひかり、おやしゃいたべた」
「うん、えらいね。次はなににする?」

ふたりの様子を眺めていた晴臣にもお手拭きとおかずの入った大きなお弁当箱を渡すと、彼は驚きと嬉しさを隠さない表情で萌を見た。

「俺も食べていいの?」
「もちろんです。あ、でも子供向けの味付けなので、晴臣さんには物足りないかも」
「俺が子ども舌なの知ってるだろ? 久しぶりに萌の手料理が食べられて嬉しい」

いただきますと手を合わせ、双子に負けない勢いで食べ始める。

(そうだった。いつもハンバーグとか唐揚げとか、お子様ランチのメニューみたいなリクエストをしてたっけ)

彼の外見と好物のギャップを思い出し、ついクスッと笑みが零れる。