無邪気な様子を微笑ましく感じる一方で、やはり僅かな罪悪感が首をもたげてくる。
ひとりで生んで育てていくと決めたけれど、双子を連れて近所のスーパーに行くだけでも大変で、遠出や旅行などはとてもできなかった。
休日に近所の公園に連れて行くだけで精一杯。それだけでも朝から昼過ぎまで一緒に遊ぶとくたくたになってしまって、夕方は家の中でふたりで遊んでもらうことが多い。
平日は仕事なため朝から保育園に預けっぱなしだし、金銭的に余裕があるわけでもない。
足りていない部分に目を向けてしまうと、あとからあとから湧いて出てくるネガティブな感情に飲み込まれてしまいそうだ。
ふたりにたくさん我慢をさせているのかもしれないと思うと、自分の子育てに自信がなくなっていく。
「改めて考えてみると、あまりいいママじゃありませんね」
つい愚痴のような発言を零してしまったが、晴臣がじっと見つめているのに気づき、慌てて口を覆った。そんな卑屈なことを言われても、彼だって困るだろう。
「すみません。聞かなかったことにしてください」
視線を双子に向けたまま小さく頭を下げると、晴臣は大きな手をそっと萌の背中に添えた。