晴臣の真剣な訴えは萌の心を震わせ、不安な心ごと包み込む。

まだ彼との結婚には頷けないけれど、父と子の間を引き裂きたいわけではないのだ。

彼からはじめて結婚を申し込まれた時にも感じた〝この人なら大丈夫〟という直感が、今も萌の決断を後押ししてくれた。

「わかりました。来週、子供たちと遊んであげてくれますか?」

緊張しながら問いかけると、晴臣はとても嬉しそうに微笑む。

「ありがとう。もちろん子供たちと遊べるのは嬉しい。でも一番の目的は、君を口説くことだって忘れないで」

至近距離で甘い眼差しを注がれ、どうリアクションしたらいいのかわからない。

萌は真っ赤に染まった顔を両手で覆って、小さく頷くしかできなかった。