「もう面倒くさいから、お前が選べ」
「えっ! いいんですか?」
「俺は女の服とか、選ぶの苦手なんだ。 だからお前が選べ」
私は「わ、分かりました」と返事をし、ジャケットを選ぶことにした。
「えー、どうしようかな……」
前のに近いのは、これなんだけどな……。素材はすごく良くて、着やすそうなんだけど。
色がちょっとな……。なんて思っていると、店員さんが「お迷いですか?」と声をかけてくれる。
「はい。まあ……」
「こちらの商品でしたら、色違いもございますよ」
店員さんが「今お持ちしますね。お待ちください」とバックヤードに行く。
「お待たせ致しました」
店員さんが持ってきてくれた色違いは、ライトな感じのグレーだった。 試着してみると、サイズ感もちょうどいいし、色もキレイで使いやすそうだった。
「片霧先生、これはどうですか?」
着ている見せると、片霧先生は「普通だな」と答える。
「でも、さっきのよりこれが一番いいかもな」
とも言ってくれたので、私も着てみてこれがいいかなーと思ったので、結局何着か試着してみた結果、これにした。
「片霧先生、これでお願いします」
「ようやく決まったか。 待たせすぎだ」
「すみません。長く着たいので、悩みました」
片霧先生は、「よし、会計するからそこで待ってろ」とレジへ向かっていく。