「……あっ」

「あ?」

 片霧先生……?! な、なんでここに!?

「か、片霧先生……」

「なんでお前がここにいるんだ?」

 カフェに入ってレジで飲み物などを注文しようとした時、そこには片霧先生がいた。

「そ、それはこっちのセリフです」

 その後、私はあのジャケットのことをふと思い出し、「あ、あの……片霧先生」と声をかける。
 
「なんだ」

 これを言うべきか、とても迷ったけど、言うことにした。

「さっき貸したジャケット……返してもらえますか?」

「……は?」

 だってあのジャケットは、私のとてもお気に入りのジャケットだったから、持って行かれてとてもショックだったんだ。
 だから、あのジャケットを早く返してほしい。

「さっきのジャケットです。私の」

「あのジャケットか? 俺は持ってないけど」

「えっ!?」

 じゃああのジャケットって……どこに!?

「さっき病院に搬送したから、まだ病院にあるかもな」

「そんなぁ……」

 あのジャケット、結構高かったのに……。でも本当に欲しくて、奮発して買ったんだ。
 
「ま、仮に戻ってきたとしても、血だらけだろうけどな」

「……っ!」

 そ、そうだった……。止血して固定するために、私のジャケットを貸したんだった。
 血だらけは……ちょっと困るよ……。

「どうしたらいいですか」

「あ?」