もう!めっちゃ怖い! なんなの、この人!?

「なあ。ここ、押さえててくれないか?」

「は、はいっ」

 私は指示された所を押さえた。

「もっと強く押さえて!」

「は、はいっ!」

 こ、怖いって……!

「よし、とりあえず止血は出来た。後は病院へ運んで処置をするだけだ」 

「は、はい」

 良かった……。とりあえず、止血は出来たんだ。

「もうすぐで救急車が来る。後は任せろ」

「はい。よろしくお願いします」

 その後すぐに救急車が到着し、片霧先生が救急車と共に去っていった。  

「はあ……なんだか疲れた」

 にしても、刺されてたとか……。一体どうしたんだろう?
 何があったのかな……。揉め事とか、なのかな。

 にしても、あんな場面で片霧先生が来てくれるなんて……。偶然だけど、偶然なような気がしない。
 でも良かった……。あんな所で誰か刺されてるとか、思ってもなかった。

「あ、やば!病院……!」 

 その後急いで病院へと向かった私は、ちょっと時間に遅れてしまったが、なんとか診察を受けることが出来た。
 診察を終えた私は、病院を出て隣の薬局で薬をもらい、会計を済ませる。

「お大事にどうぞ」

 ふと腕時計を見ると、もうこんな時間か……と思ってため息をつく。 
 お昼まだだし、近くのカフェにでも寄ろうかな、と思ったその時ーーー。