その人は、腹部をナイフで刺されていて、とても苦しそうだった。
 汗がたくさん出ていて、呼吸が苦しそうだった。
 
 えっ!へ、返事がない!?  どうしよう!?
 きゅ、救急車呼んだほうがいいよね!?

 そうよ、救急車を呼ばなきゃ! そう思ってスマホを取り出したその時ーーー。

「おい、どうした?」

 誰かに後ろから声をかけられた。

「こ、この人、腹部をナイフで刺されてて、とても苦しそうなんです!」

 後ろを振り返った時、そこにいたのはーーー。

「えっ……?」

 あ、悪魔……。じゃなかった!片霧先生!?

「片霧先生!?」

 目の前で刺されている男性を見て、片霧先生は私に「おい、そこを退け!」と私に退くように言った。

「は、はい!」

「それと救急車!」

「は、はい!」

 私はすぐに救急車を呼ぶ。

「救急車、到着まで十分だそうです!」

「わかった! おい、そこにいるならお前も手伝え!」

 えっ!? て、手伝う……!? わ、私が!?

「て、手伝うって、何をすれば!?」 

 すると片霧先生は、私に「すぐに止血をする。何かタオルかなんか持ってきてくれ!」と私に指示を出した。

「わ、分かりました!」

 私は近くのカフェに入り、タオルを何枚か借りることが出来、再び片霧先生の元へと戻った。

「片霧先生!た、タオルです!」