「早崎、明日の営業一人でお願い出来る?」

「別にいいけど」

「ありがとう」

 ペアを組んでいる早崎とは、ペアになって三ヶ月が経過した。元々、早崎は別の人とペアを組んでいたのだけど、そのペアの人が事情があり退職してしまったため、代わりに私が早崎とペアを組むことになった。
 早崎は優秀だから、私みたいな人とペアを組んでいいのだろうか……とも思うけど、早崎は私がペアで良かったと言ってくれるから、頑張って良かったと思う。

「有給消化だっけ?」

「うん。係長から有給使えって、怒られちゃったから」

「そうか。じゃあゆっくり休めよ」

「うん、ありがとう」

 その日は病院の日だから、午前中病院に行って終わったらカフェにでも行こうかな。
 明日は早崎に任せて、ゆっくり過ごそう。

「じゃあ、お疲れ様」

「お疲れ」

 次の日、私は予約の時間に間に合うように病院へと着けるように、少しだけ早く家を出た。
 そして病院へ向かっている途中、とある路地で男の人が眠っているような姿を見つけた。
 
「あのぉ……こんなところで寝てたら、風邪引きますよ……?」

 そう声をかけ、男の人の身体を見ると……。

「えっ……!?」

 ち、血……?! えっ!刺されてる! えっ!ちょっと!どうしよう!?

「だ、大丈夫ですか!? 聞こえますか!?」

「っ……」