色々めんどうだからとかあの時言ってたけど。
それでも本当に彼女みたいって錯覚しちゃったよ、私。
あの時の私たちならきっと、先輩にも本物の恋人だって信じてもらえるんじゃないかな?
……あ、そうだ。
ふと思いついた私はスマホを手に取り、トーク画面を開く。
【今日はありがとう! デート楽しかったよ】
ふふっ。
早速書き込んだメッセージを送信して、キュッと胸にそれを抱きしめる。
彗も楽しかったって思ってくれてたらいいな……。
なんて願っていたら、いつの間にか夢の世界へと連れられていたようだ。
そのあとすぐメッセージが届いたみたいだけど、それを知るのはもう少しあとのこと。
【俺も】
一瞬、寝ぼけてるのかと疑っちゃった。
目が覚めてスマホを見た私が大歓喜したのは、言わなくてもわかるよね。