「それより〜」


ん?

突然落とされた声に視線を向ける。

すると、にやり。


「もしかしてデートっすかあー?」

「えっ!?」


いきなり私と彗を見比べてそんなことを言い出した五代くんに、私は思い切り焦りを見せてしまった。


流石は学校一のチャラ男と名高い五代くん。

ストレートに突っ込んでくるなんて……。


どうしよう。

なんて答えるべき?

そう、ぐるぐると脳内に渦が巻く中。


「え、彗と栢野ちゃんてそーゆー関係なの!?」


なんて牧くんが驚いたように声を上げた。


「俺なんも聞ーてねぇよ?」

「俺もー。やーねぇ、彗くん。そういうことなら俺らに言ってくれたらいーのにぃ。ねぇ大志、京平」


目を丸くしながら彗に詰め寄った牧くんに続いて、五代くんが佐渡くんと牧くんの肩を組んでそう言った。


どっ、どうしよう、彗……。