「言ったよな? 彼女として扱うって」

「……っ」


……そうだ。

彗と本物の恋人に見えるようになるのがこのデートの目的。

リードされてばかりじゃダメよね。


よーし、私も──。



「それに、こうしとかないとすぐ迷子になりそうだし」

「うっ」


そ、それは、ここに入る前にぼーっとしてて置いていかれそうになったことを言ってるのでしょうか?


「あ、ありがとう」


ちょっぴり不服は否めないながらも、私は強くその手を握り返した。





──それから私たちはお土産コーナーに向かった。


お土産コーナにいくっていうのは私から彗へのリクエスト。

デートといえば……やってみたいことがあったんだもん。



「これ、一緒に買わない?」


そう言って見せるのは、ピンクと水色の色違いのキーホルダー。


彗星モチーフとか、買わなきゃダメだって神様が言ってるみたいでしょー?


だけど彗は露骨に嫌そうな顔をした。


「自分の名前入ってんの恥ずいんだけど」


って。

……言われてみればそうかもだけど。


「お揃い欲しかったのにぃ」


ふんっと口を尖らせる。


彗星のグッズなんてそうないし。

お揃いのものを買いたいってここまでやってきたんだから。