誰にも内緒だよって、彗に連れられて。彗が見つけた秘密の場所へ二人で向かった。

その日は天気も良くて、夜空に星がはっきりと浮かんでた。

そこで私たちは、お星さまにそれぞれお願い事をしたんだ。


……そうそう。

まだ小さい子どもが夜中に二人で黙って家から消えたものだから、呑気に星を眺めてる間にウチも市ヶ谷家も大騒ぎになってたらしくて。

帰ってくるや否や、二人揃って両親に怒られたんだっけ。


こっそり家から抜け出して、またこっそり帰ってきたらバレないと思ってたんだから、おかしいや。


懐かしいなぁ。

私たちにもそんな可愛い時期があったんだね……。


──ん、待ってよ?


ふとその時、ピリッと脳内に電流が走った。


あの時星空の下で私は彗と約束をした。

また一緒に星を観ようって。

だけどその約束には続きがあって……。


「……っ!」