「わかった!」

「……じゃあ、行くか」

「うんっ」


私は力強く頷ずくと、思い切り彗の腕にぎゅっと自分のそれを絡めた。



──あれ。


「……ん?」


不思議に思いちらっと見上げると、彗が首を捻った。


「ううん」


……腕、振りほどかないんだ。

いつもはイヤそうな顔で離れようとするくせにね。

今日はやけにすんなり受け入れてくれてるみたいで、びっくりしちゃった。


恋人だから、なのかな……?

それとも気まぐれ?


このままくっついていられるなら、なんでも嬉しいや。