「もしかして彗、私の願いを叶えるために待っててくれたの……？」
絶対そうだ。
だってそうじゃなきゃこんな早くに彗がいるなんておかしいもん。
なんだそれみたいな顔してたくせにさ……。
「……まあ、大切な彼女の頼みだからね」
「っ！」
じっと見つめていると、不意に落とされた声にビクッと一瞬肩が動いた。
「何固まってんだよ」
「だ、だって彗が」
とんでもないこと言ってきたんだもん。
た、大切な彼女なんて……。
「そんなんじゃまた先輩に追い返されるぞ」
「うっ」
おっしゃる通りです。
でもしょうがないじゃん。
嘘でもドキドキと緊張が止まらないの……！
「今日は俺のこと本物の彼氏だと思って過ごしてみて」
「……うん」
「俺はみなみのこと、彼女だと思って接するから」
……うわぁ。
どうしよう。
呑気に楽しみだなーなんて考えてたけど、ちゃんと気を引き締めなきゃね。
