「もう来てたんだね!」


いないと思ってたせいか、予定よりも声が高くなってしまった。


……というか、今日の彗雰囲気違ってない?

いつにも増してイケメンに磨きがかかってるというか……。

前髪もちょっとだけ上がってていつもより大人っぽいし、私服もめちゃくちゃ似合ってる。

それに……。



「ピアス、変えたの?」

「……まあ」


いつもはシンプルな黒のリングものなのに、今日はちょっと派手めなシルバーの十字架に変わってる。


相変わらずオシャレだな〜。

思わず見蕩れていたら、何故か妖艶な顔をした彗が私に近づいた。


「開けたげようか?」

「えっ!?」


出たのは素っ頓狂な声。


開けるってそういうことだよね?

でも痛そうだし……。

見てる分にはいいなぁって思うけどさ。


「え、遠慮しときます……」


恐る恐る言葉を述べると、フッと息のような笑い声がした。