「もう、お母さんもお父さんも心配しすぎよ」
「でもな、可愛い娘の身に何かあったら俺は……」
「そうよみなみちゃん、私もお父さんもあなたが大切なの」
……二人とも。
「ありがとう。でも、今日は彗もいるから」
大丈夫よと笑いかける。
するとお母さんは、
「……たしかに、彗くんがいれば安心ね……」
と納得してくれた。
昔から市ヶ谷家とは家族ぐるみで仲がいい。
特にお母さんと星香さんは同い歳ってこともあって気が合うみたいで……。
当然、彗がどんな人なのかもある程度は把握してるってわけだ。
……よかった。
しかし、そうやってほっと息をついたのも束の間。
「……それ、本当にただの〝買い物〟なのか?」
ギクッ。
「ただのお買い物にしてはずいぶん余所行きの格好じゃないか?」
ギクギクッ。
2発の弾丸が放たれて、心臓が止まりそうになった。