「あのね、彗」


我に返った私は、急いで口を動かす。


「私、彗に話があって──」

「聞いた」

「えっ、ちょっ!?」


宙くんの部屋にずかずかと入るなり、彗が私の腕をグイッと掴んで引っ張った。


いきなり何?

聞いたって、星香さんから?

どういうこと?


驚いて声を上げてしまった私は、焦る頭であっと思い出して宙くんの方を見た。


「そ、宙くん、ありがとう!」

「ううん。久々にみなみちゃんと話せてよかったよ。彗と仲良くしてやってね」



──そんなこんなで私は、強引に彗の部屋まで連れてこられてしまった。

……というか。