「おう彗、おかえり」

「っす」


にこっと笑って言った宙くんに、彗が短くそう返した。


……相変わらず素っ気ないなぁ、彗ったら。


小さい頃は見てわかるくらいお兄ちゃん子全開だったのに、男の子ってなんだか難しい。

〝宙兄ちゃん〟って可愛かった呼び方も、今では呼び捨ての〝宙〟に変わってるし。

……反抗期?


んー、よくわからないけど……。


ホント漫画みたいなイケメン兄弟だよね、この二人。

タイプは違うけど、並ぶと本当に絵になるというか。

昔3人で遊んでた時も、歩くだけでかなり目立ってたし、知らないお姉さんたちにすぐ声かけられてた。


その時は全く意識してなかったけど、今思えば私、きっと周りからめちゃくちゃ羨ましがられてたんだろうな……。


──なんて、呑気に思い出に耽ってる暇なかった。