「あれ、みなみちゃん?」

「そっ、宙くん!」


ドアの奥からひょっこりと顔を覗かせたその人は、私のよく知る人物で。

沈んでた心はパァァと一気に明るく輝いたんだ。



「おじゃまします」


──彗が帰ってくるまでの間、宙くんの部屋で待たせてもらうことになった私。

今日は午前中に大学の授業が終わって、珍しく早めの時間に帰ってきてたみたい。

宙くんの部屋には小さい頃はよく入ってたのに、数年ぶりだからかそわそわしちゃう。


「どうぞ入って」

「し、失礼します……」


……わあ、すごい。

前に来た時とは、全然違う部屋だ。

紺と白で綺麗にまとめられてて、物もそんなに多くないし、シックで大人っぽい感じになっている。

爽やかな宙くんにぴったりだなぁ。