「みなみちゃん、いらっしゃい」


中から現れたのは優しそうでとってもキレイな人。


星香(せいか)さんこんにちは! えっと、彗くんいます?」


……そう。

ここは私の家の一つ隣に建つ彗の家で、星香さんは彗のお母さん。

ある計画を彗に伝えるため、放課後一旦自分の家に帰ってからここにやってきたんだ。

LINEで伝えてもよかったんだけど、やっぱり直接話した方がいい。そう思って。


「ごめんねー。あの子まだ帰ってないのよ」

「そうですか……」


朝は一緒だけど、基本的に下校は別々な私たち。

私も彗も帰宅部だから放課後は自由ということで、彗はよく友達に誘われて寄り道して帰ってたりする。

今日もきっと、そういう事なんだと思う。


「じゃあまた帰ってきた頃に伺いますね」


LINEしとけばよかったかな?

残念だけど出直そう……。


「あ、待ってみなみちゃん。家あがって待ってたら?」

「え、いいんですか?」


踵を返すと同時に聞こえてきた声に、私は足を止めた。


「ええ。それに今日は……」


え? と首を捻った次の瞬間。