「……なんだよ彗、俺のこと結構好きなの?」

「別にアンタのこと嫌いじゃないし」

「ふはっ。そこは好きって言えよー」


目の前のやり取りに、私はきゅっと唇を噛み締めた。


……ああ。

どうしよう。

やっぱり、あの頃と同じまま。


心がきゅんとして、温かくなって、涙が出ちゃいそうだ──……。



それからみんなでケーキを食べて、いろいろ話をして、気づいたら結構な時間になっていた。

3人で過ごすのが楽しすぎて、幸せすぎて、時間なんて忘れてた。


宙くんによると、教員採用試験に合格してもまだ終わりじゃないらしい。

まだこれから、勤務先の学校が決まらないと先生として働けないんだって。


でも、宙くんだったらきっと大丈夫。

約3週間生徒だった私が言うんだから、間違いないよね。


ということで、寂しいけれどパーティーはもうお開きになってしまった。

だけどその前に、ひとつだけ。