「ほんと? このケーキね、彗と二人で作ったんだよ?」

「え?」

「ねー? 彗」



──そう。

実は宙くんに食べてもらったこのケーキ。

朝から二人でスポンジを焼くところから飾り付けまでした、正真正銘想いの籠った手作りケーキなのよね。


彗は嫌がるかなって思ってたんだけど、実際はその逆。

なにやればいい? って、進んで協力してくれた。

このパーティーだって、私がやりたいって相談したら、率先して計画を立ててくれたんだ。


「……彗も?」

「なに?」


ぽかんとした顔で振った宙くんに、ぶっきらぼうな声が返された。



「いや、俺……」


小さく呟いた宙くんは、信じられないみたいな、驚いた表情をしていた。

それが、くしゃりと綻んだ直後。