「好きな子といたら誰だってドキドキするもんじゃない?」


……え?

ポツリと響いたそれに、ポカンと口が開いた。


「それって、彗がってこと?」

「……かもね」


ええ……!?

驚きと同時に内心叫んだその時、ピンポーンとチャイムの音が鳴った。


……まずい。


「彗、はいこれ」


と切り替えるように渡すのは、用意していたクラッカー。

それからサッと髪と衣服を整え、急いで最終確認をする。

……よし、完璧!

準備万端になった私は、外にいた彼をリビングの中に招き入れ。


「宙くん、教員採用試験合格おめでとう〜!」


パーーン!

弾けたクラッカーのあと、拍手の音を響かせた。