──約2ヶ月後のおはなし。
*
「できた〜!」
満足気に声を落とし、リビングのソファに座る。
飾り付けも、ケーキの準備も、何一つ忘れ物がないことを確認した私は、ほっと安堵のため息をついた。
「彗もこっちおいでよ」
言いながらポンポンと2度ほど軽くソファを叩く。
するとその人は、何も言わずに隣までやってきた。
「宙くん来るまでちょっと休憩だね」
「そーね」
「……そーねって。もう少し楽しそうにしてもいいんじゃない?」
相変わらずのポーカーフェイスな彼には、くすりと笑ってしまう。
そんな今日は、特別な日。
とってもおめでたい日だ。
──喜んでくれるかな……。
「って、ちょっ彗ぃ?」
呑気に寛いでいると、いつの間にかするりと肩に回されていた手に身体が反応する。