──約2ヶ月後のおはなし。






「できた〜!」


満足気に声を落とし、リビングのソファに座る。

飾り付けも、ケーキの準備も、何一つ忘れ物がないことを確認した私は、ほっと安堵のため息をついた。


「彗もこっちおいでよ」


言いながらポンポンと2度ほど軽くソファを叩く。

するとその人は、何も言わずに隣までやってきた。


「宙くん来るまでちょっと休憩だね」

「そーね」

「……そーねって。もう少し楽しそうにしてもいいんじゃない?」


相変わらずのポーカーフェイスな彼には、くすりと笑ってしまう。


そんな今日は、特別な日。

とってもおめでたい日だ。


──喜んでくれるかな……。


「って、ちょっ彗ぃ?」


呑気に寛いでいると、いつの間にかするりと肩に回されていた手に身体が反応する。