「うぅぅ、彗〜、私泣きそうだよ〜〜」

「……もう泣いてんじゃん」


彗はいつだって私に幸せをくれる。

願いを叶えてくれる。

私を、最高の世界に連れて行ってくれるんだ。


「みなみ」

「なに……?」


掛けられた声と共にぽんと頭に乗せられた重みに振り向く。

するとそこには、柔らかな彼の顔があって。



「絶対幸せにするから。ずっと、俺と一緒にいてください」

「……はいっ」


思わず、大粒の涙が零れ出した。


……でもね彗。

これだけは、言わせてくれる?


「私は彗がいてくれれば、それだけで幸せなんだよ」


そうやって伝えるや否や、私は彗の胸に飛びついた。


ぎゅっと、ぎゅっと。

この想いが余すことなく伝わるように、背中に回した腕に力を込める。

すると彗は、すぐに私を抱き締め返してくれた。


「……ほんっと。みなみには勝てねぇよ」



近くにいても、離れていても、心さえ繋がっていれば大丈夫。


これからも一緒に。

輝く未来を見ていけたらいいな。


全てをさらけ出し支え合って。

またここから、二人で始めるんだ。

大好きな幼なじみ(あなた)と、秘密の……ううん。


私たちにしか作れない、特別な関係を。



-end-