「わぁ……!」


その刹那、目に飛び込んできた光景に突として何かが込み上げてきた。


キラキラとライトアップされた、美しいお城。

温かく、優しい光が心を包み込み、そっと灯してくれる。


──まるで物語の世界に入り込んだみたい。


瞬きをするのがもったいない。

一秒たりとも見逃したくないと思った。


だって、この世界には私と彗しかいない。

今この時この瞬間、目に映る景色は全て私たちだけのものだなんて。


そんな贅沢……信じられる?