「貸切……!?」

「こういうの、好きじゃない?」

「え、好き! めちゃくちゃ大好き! だけど、え? なんで!?」


びっくりして早口になる。

落ち着かない私に、彗は少し顔を逸らしてから答えた。


「……バイトの報酬」

「へ?」


バイトの……って──。


「待って? もしかして彗があのバイトを引き受けたのは……」


ずっと不思議に思ってた。

撮影なんて苦手そうなのにって。



「ま……そういうこと」


じぃっと見守っていると、むこうを向いた彗の目がおもむろに私を捉えた。


……もうっ。

言ってくれたらよかったのに。


「で、行く?」

「うんっ、もちろん行く!」