「……ねぇ。そういえば彗のお願い事って、なんだったの?」


10年前のも、今のも、聞いてなかったなーって。


「なんでもいいだろ」

「えー、教えてよー」


きらきらと目を輝かせて、腕を引っ張る。

すると──。


「……世界平和」

「え?」


聞き間違え?

そう思ったけど、どうやら違ったらしい。


「なにか問題?」

「……ううん! とっても立派な夢だね。素敵だと思う」

「なんだそれ」


……そっかあ。

彗も私と同じような夢だったらなあって、ちょっと考えたんだけどな。


「ま、それは昔の夢だけど」

「え? じゃあこの前は?」


昔のってことは……。

もしかして、もしかするんじゃ!?


「んー、そんなに聞きたい?」

「聞きたい!」


ドキドキと胸を高鳴らせる。

そうしてそっと開かれた口から放たれたのは──。