──時は流れ、早くも七夕から1週間と少しが経った。


見上げた空いっぱいに広がる、眩い光を放つ星たち。

目を瞑ればほら、すぐに蘇ってくる。


素敵だったなぁ……。


彗と二人、約束の場所で過ごしたあの時間は、一生の思い出。

私にとって、大切な大切な宝物になっていた。



「……どうした?」


いつも通りの朝。

学校までの道のりを歩きながらふと思い出に耽っていると、隣で不思議そうな声が響いた。

紛れもない、私の大好きな彼の声だ。


その耳には、青紫色をしたタンザナイトのピアスが光っている。

これまでのお礼にと、星の下で私が彗にあげたプレゼントだ。

タンザナイトは彗の誕生石、ということで選んだんだけど。

最近よくつけてくれてるみたいで、見る度に嬉しくなるのよね。



「ちょっとね。あの日のこと思い出してて」


そう言って、私はふふっと笑う。

と同時に、あっと頭にあることが浮かんだ。