「凛ーー! 凛ーーー!」

「あー、おかあさんだー! おーい!」


遠くから、一人の女性が叫びながら走ってくるのが見えた。

黄色のワンピースを着ている。


「凛ちゃんのお母さんですか?」

「ええ。あなたたちが一緒にいてくれたの? ありがとう」

「いえいえ」

「ほら凛、お姉さんとお兄さんにあいさつは?」


お母さんに手を握られた凛ちゃんは、ちょっぴり恥ずかしそうにこっちを見た。


「すい、みなみ、またね」

「またね」

「またな」


……ふふっ。

やっぱりかわいいなぁ。


「あっ、そうだ。すい、ちょっとしゃがんで?」

「ん?」


どうしたんだろう──。

ちゅっ。