『ほ、本当ですよ! 最近付き合いはじめて……』


まずい。

バレちゃった?


乱れる頭の裏側で、私は口早に答える。

そして、なんとか笑みを貼りつけ。


『ね、彗?』


ぴとっと寄り添ってみたけれど、これって正解?


わからない。

なにもわからない。


正直、紹介して終了! なんて思ってたから、頭は真っ白だ。


『そういうことなんで。申し訳ないけど諦めてくれます?』


混乱でぐるぐると視界が回り出した、その時だった。

グイッと肩を引き寄せられたかと思えば、視界には冷たい目をした──。




『彗……』


こんな顔、してくれるんだ。

……嬉しい。