「俺が、なに?」

「な、なんでもないです」


まずい。これ、内緒なんだった。

……というのも。


『来てくれたお礼に1個だけ特別、みなみちゃんに彗の秘密教えてあげる』


まさにこの前の土曜日、五代くんが言っていたその秘密の内容だったから。

そのあとの言葉はこう続いていて……。


『あいつ、みなみちゃんのこと超大好きだよ』

『……え?』


驚く私にこう言ったんだ。


『プラネタリウムのキーホルダー? あれ、大切そうにずっとカバンにいれてんだぜ』


……その時は衝撃と嬉しさと信じられない気持ちで、なにがなんだかわからなかった。

でも。


『彗ってさ、今まで合コンとか誘っても全部断るし、彼女つくんないから俺的にはずっと心配してたわけよ。でもさ、みなみちゃんが彼女になってくれたから、すんごく嬉しいの』


五代くんが本当に嬉しそうに笑うから。


『そうだったんだ……』


やっぱり私も嬉しくなって、胸がいっぱいになってしまったんだ。

……って、今は説明してる場合じゃなくて。


「あのね──」

「痛っ!」