「彗のも美味しい?」


ふと覗くのは、緑のかき氷。メロン味だ。

彗ってば昔からかき氷はこれしか食べないんだよねーって。

何の気なしに訊いてみたけど、かき氷ってどれも色が違うだけで同じ味なんだっけ?


うーん……。


「食べてみる?」


斜め上に目線をやったその時、いきなり顔の前にスプーンが現れてビクッとしてしまった。


「え、いいの?」

「どーぞ」

「やったー」


心を弾ませながらパカっと口を開ける。

だけどすぐに閉じた。

これっていわゆる……。


「や、やっぱり私」

「意識しすぎ」

「っ!」


ぷしゅうう。

顔から湯気を出す私に、更に彗が追い打ちをかける。


「こんなん、小さい時何回もやっただろ」

「……っ」