腕の隙間から見える顔が、珍しく真っ赤になっている。


どうしよう。かわい〜!

こんな彗が見られるのって、すっごく貴重!


「彗くんもう一回やる?」

「おいバカにしてんだろ」

「えー、してないよー」


えへへと嬉しさを隠さずにいたら、ぎゅっと手が握られた。

絡められた指が力強くて、心臓ごと掴まれたみたいな感覚になる。


「す、彗?」

「次はあっちな」


……もう、ほんと負けず嫌いなんだから。

半ば強引に連れてこられた射的では、なんと見事全発的中させてしまったんだから、さすがとしか言えないよね。


そうして輪投げにヨーヨー釣りと堪能した後。


「んー、つめたぁ」


私はかき氷を食べていた。

お気に入りのいちご味。

キーンと頭に響く感覚が、夏を浴びてるみたいでたまらない。