『えっとぉ……なんですか?』


じーーっと、舐め回すような視線が私と彗を交互に這って居心地が悪い。


部活でしっかり鍛えている井出先輩。

ガタイもしっかりしてるし、ただでさえ強面なその目は、今の私には凶器のようにさえ思える。


『あ、あのー……』


何か言ってほしいのですが……!

願いを込め唇を動かしたのも、束の間。


『んー』


と落とされたのは、完全に唸り声で。

極めつけには、その直後。


……なんか、嫌なことになりそう。


そんな予感が的中するように、グサリ、トドメの一撃が放たれた。



『本当に付き合ってる?』