「また礼しとかないとな」

「そだね」


うん、と頷きながら頭の隅で考える。

今年は、一緒に行けるかな……?


「なあ、これ着て行く?」

「え……」

「七夕祭り」

「……っ」


数秒間息をするのを忘れてしまった。

だってまさか、彗も同じ事を考えていたなんて思わなかったから。


毎年7月7日に開催される〝七夕祭り〟は、屋台や花火などが用意されたうちの地域伝統の大規模なお祭り。

毎年参加はしてるけど、ここ数年はそれぞれの友だちと一緒にまわってたから、彗とは小学生の時に宙くんと3人で行ったっきりだった。



「五代くんたちはいいの?」


少し気になって尋ねてみたけど、どうやら心配はいらなかったみたい。


「俺はみなみと行きたいんだけど」

「っ……私も、彗と行きたい!」

「じゃあ、約束な」

「うん!」


やった〜!

頭の中は一足早くお祭り状態だ。