「あ、そうだ」

「……?」


と、何やらいきなり合わされた両手に首を捻る。

そんな私の目を捕え、にやり。


「来てくれたお礼に1個だけ特別、みなみちゃんに彗の秘密教えてあげる」


五代くんが吐息混じりに声を落とした。



***



「それでは撮影を開始します」

「よろしくお願いします!」


そうして、大きなあいさつと共に撮影がスタートした──……。



「はーい、オッケー。いいね市ヶ谷くん」


……え、すごい。

カシャ、カシャ、とシャッター音が響く度に指示されたポーズに変えていく彗。

きっとこういうのは初めてなはずなのに、立ち姿も表情もかなり様になっている。


スタイルも顔もいいのはわかってたけど、本物のモデルさんみたい……。


思わず圧倒されているうちに撮影は進んでいき、


「お疲れさまです。撮影以上です!」


あっという間に終わってしまった。


そんな中──。


「ねえ」


なぜか、今。

私──栢野みなみはとてつもない窮地に立たされております。