「モデル!?」

「あったりぃ!」


そういうこと……か。

これでやっとわかった。だから彗、頑なに教えてくれなかったんだ。


「ちょっと千也ー、アンタちゃんと説明してなかったの?」 


驚きのあまりポカンとする中、茉莉也さんがずいっと五代くんに詰め寄った。


「だってこの方がおもしれーじゃん」

「……ったく。ごめんねこんな弟で」

「いえ……」


まだよく信じられない。

あの彗がモデルの仕事を引き受けるなんて。


そういうの嫌いそうなのに……。


「じゃ、私行くから。千也、みなみちゃんのことよろしくね」

「へーい」


そう言い残すと、茉莉也さんは足早に彗のいるところまで向かっていった。


「みなみちゃん、来てよかったっしょ?」

「……うん」


こっそりと言ってきた五代くんに、私は小さく頷いた。

彗には悪いけど、正直さっきから尋常じゃないほどの胸の高鳴りを感じてしまっている。


モデルの彗だよ?

そんな貴重な姿を拝めるなんて、最高以外の何物でもないって。