「んふふ」


奇妙な笑いを浮かべて、頭を俺の肩に預けてくる。

さっきまでのしおらしい態度は何処ヘ行ったのか。

もうすっかり、いつものあっけらかんとした様子に戻っているみたいだ。


……ったく、この女は。


相変わらずの天真爛漫ぶりに感心する俺に、みなみがまたまた楽しそうな声でこんなことを言う。


「私ね、彗の彼女になれて嬉しいんだ」


その声が聞こえた途端、ゴクリ、俺は喉を鳴らしてしまった。


……そうか、彼女なんだよな。

頭ではちゃんと分かってるのに、

俺とみなみは幼なじみって長年言い聞かせてきたから、変な感じ。


……というか。


「なに?」

「好きだよ、彗。大好き」


……は?

まだ言い足りないといった顔してたから、訊いたらこれだ。


「なにいきなり。積極的ね」


そんなん言われると思ってないし、急には困るっつーか……普通に驚く。

だけどみなみは、焦る俺に容赦なく畳み掛けた。