「じゃあみなみからキスして」

「うん」


素直に頷いてくれたはいいけど、絶対緊張してんでしょ。


唇震えてるし。

中々進んでこないし。

かーわい。


「ねぇ彗」

「ん?」

「目、閉じてよ」

「やだ」

「なん、んん……っ!」


うるさいから塞いでやった。


……や、正確には俺が我慢できなかっただけなんだけど。

そんなことはどうでもいい。


「ちょっと……!」

「かわいすぎ」


調子のって深く重ねたら、ぽかぽかと涙目で殴られた。


おまけに

「彗、こんなキャラだったー?」


とか言ってきたけど、全部お前のせいだっての。


……はあ。

これが全部妄想じゃないとか、恐ろしい限りだわ。

小さく息を落としたら、なにやら愉しそうな顔と視線がぶつかった。