「というか、彗は恥ずかしい」


……へぇ、なるほどね。

恥じらうその様子につられて、どっと体温が上がる。

だってあんだけ普段普通にベタベタしてくるから、意識されてないかと思うのが普通でしょ。


「怖い? ならやめるよ」


何とか平静を保って、長い髪を撫でた。


正直、もっと触れたい。

だけど俺だって無理矢理は趣味じゃない。

そして何より、みなみが嫌がることはしたくない。


だから、言ったのに。


「違うの! 私だって彗とイチャイチャしたいもん」


なんでそっちが泣きそうな顔してんの?

意味わかんねぇ。

……のに、心臓えぐい。


「だめ……?」

「ふは、いーよ。イチャイチャしよっか」

「うん……!」


……あー、やば。

ぱああと明るくなった表情を前に、ニヤけが止まらなくなる。


これ以上幸せになったらどうなんの。

死んじゃう?


なんて、バカなことを考えながら頬に触れる。