なんとなく会話してたら、家の近くまで来ていた。


長い帰り道が、今日はいつもより早く感じた気がする。


みなみも同じなのか、

「じゃあ、ばいばい」

そう言って手を振るくせに、名残惜しそうな目でこっちを見てる。


〝もっと一緒にいたい〟

今からそう言ったら、どんな反応をするだろうか。


……いや、やめておこう。


「やっぱり寂しいから、ちょっとだけ」

「……え?」


〝またな〟

手を振り返そうとしたその時だった。

ぱたぱたとかけてきたかと思えば、ぎゅっと飛びついてきたみなみ。

倒れそうになったのを持ちこたえ、俺は応えるように手を回す。



「……なら」


そのとき何を思ったのか、

一度引っ込めたはずの言葉が口から飛び出していた。


「家来る?」