「一生のお願いだから!」

「……それ、何回目?」


えっと……たぶん5回目?

って、素直に数えてる場合じゃなかった。


「とにかく、今回だけは本気の本気なの!」

「……んなこと言われても」

「っ」


わがままだってわかってる。

でも、彗にしか頼めないの!

と、腕を絡め眼力を強めてみる。


すると、ほどなくして。


「はぁ……」


と深いため息。

それが聞こえてきたかと思えば、


「これで最後だからな」


私の口角はぐいーっと上がってしまったんだ。

だって。

だって、だって。


「ありがとう彗ー!」


彗が優しいんだもん!


いつもクールで何考えてるのかわからないのが基本だし。

適当にあしらわれることなんて、しょっちゅうだし。

だから、こうやって優しい彗を見ると、ものすごーく嬉しいんだ。