「なんてーの。千也伝にバイト人員に頼み込まれてその関係っつーか。あの人はただの友達のお姉さんだよ」

「……な、なんだ」


ってことは、私の思い過ごし?

あの時のモヤモヤとした感情はいったい……。


「あっ、じゃああれは? 彼女作る気ないって。女の子たちが言ってたあの言葉は?」


プラネタリウムでデートした日に聞いたそれ。

あの時、私には望みはないのかってちょっと落ち込んじゃったんだけど。


「……あれは、嘘だったの?」


そう言って制服の裾を引っ張ってみる。

すると。


「いい加減わかんない?」

「ひぁっ」


伸びてきた手が私の髪に触れた。


「俺はお前以外の女に興味ねーの」

「……っ」

「みなみじゃないなら、彼女なんていらないって意味」


な、にそれ……。


今まで彼女を作らなかったのも、

好きな人を教えてくれなかったのも、

私が好きだったからってこと?


……それならそうと言ってくれればいいのに。

ほんとずるい。